内膜症手術の検査で子宮頸がんの疑いが出てきました。3Aだそうです。
子宮頸がんてどういう病気ですか。治療して治りますか?妊娠は可能?
子宮頚癌は、ハイリスク HPV ( ヒューマンパピローマウイルス ) の持続感染で発症します。
性交渉の経験のある女性の 80% は生涯に感染しますが、一過性感染でウイルスは消失します。
10% 程の人が、最低 6ヶ月の持続感染で、今回、見られた、細胞の核が、いびつに変化した異形成 という変化を起こしますが、免疫で治り、正常な細胞に戻ります。
ごく僅かな人が5年以上かけて、癌に進展します。
持続感染の原因です。
1 ) 性活動関連因子
・性パートナー数
・経産回数 ( 3人以上 )
・クラミジア等の他の性行為感染症 ; 否定する必要があります
・年 齢 ( 30歳以上 )
2 ) 免疫関連因子
・喫 煙
・ビタミン不足
・H I V を含む免疫抑制状態
・ステロイドの使用
3 ) 遺伝的要因
・組織適合性抗原 ( HLA ) ; 白血球の血液型で、ある型の場合、生体がHPVに感染したという認識確認が弱くなってしまい、HPVを排除出来なくなってしまう事も考えられます。
妊娠、分娩との関係
IIIa と妊娠との共存は問題無く、3ヶ月間隔での細胞診で経過を追います。
ハイリスク HPV は胎児に影響する事はありません。
産道に居る場合、児に感染しますが、やがて消失し、この感染で、児が将来、子宮頚癌になる事はありません。
細胞診分類の進行割合 ; 今回の IIIa は 1 ) と 2 ) のいずれかです。
1 ) 軽度異形成 ; 子宮の入口の粘膜の表面の細胞の核が、いびつに変化した状態です。
先の病変に進展するのは僅かに数%であり、自然治癒し、正常に戻ります。
2 ) 中等度異形成 ; 中間の細胞の核が、いびつに変化した状態です。
10%程が、先の病変に進行しますが、残りは正常に戻ります。
3 ) 高度異形成 ; IIIb に相当します。
深い細胞の核が、いびつに変化した状態です。
15~20%が早期の癌に移行します。
4 ) 上皮内癌 ; IV に相当します。
粘膜が癌に置き換わるも、癌が粘膜内に留まった状態です。
70%が微小浸潤癌に進展します。
上記確定のためには、子宮の入口を拡大鏡で見て、怪しい部分を探し、その部分の組織をかじり取って顕微鏡検査で診断 ( 組織診 ) されます。
組織診の結果と治療
1 ) と 2) は、組織診を省略し、3ヶ月間隔での細胞診で経過を追う場合があります。
3 ) は、病変部が全て見えており、浸潤癌を疑う場所が無ければ、日帰りもしくは1日入院で粘膜を焼く、レーザー蒸散をします。
そうで無い場合は、5~7日の入院で、子宮の入口を取る円錐切除術を施行します。
4 ) は、円錐切除術を施行します。
円錐切除をしても妊娠も分娩も可能です。
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