2012年3月28日水曜日

子宮けい癌の検査で再検査になり、再検査の結果HPVに感染していると言われました。...

子宮けい癌の検査で再検査になり、再検査の結果HPVに感染していると言われました。半年毎に要検査との事ですが、得に薬とか今の時点で治療とは言われませんでした。
この感染は直接癌とはどんな関係性があるのですか?いずれ癌になるのですか?







子宮頚癌は、ハイリスク HPV ( ヒューマンパピローマウイルス ) の持続感染で発症します。

性交渉の経験のある女性の 80% は生涯に感染しますが、一過性感染でウイルスは消失します。

10% 程の人が持続感染となります。

細胞の核が、いびつに変化した異形成という変化を起こすには、最低、6ヶ月の持続感染が必要と言われます。

異形成のなっても、殆どの人は、免疫で治り、正常な細胞に戻ります。

ごく僅かな人が5年以上かけて、癌に進展します。



機序は、ハイリスク HPV の持続感染により、ウイルスの E6 、E7 遺伝子産物が、癌抑制遺伝子 Rb や p53 等を抑制するためと言われています。



持続感染の原因です。

1 ) 性活動関連因子

・性パートナー数

・経産回数 ( 3人以上 )

・クラミジア等の他の性行為感染症

・年 齢 ( 30歳以上 )

2 ) 免疫関連因子

・喫 煙

・ビタミン不足

・H I V を含む免疫抑制状態

・ステロイドの使用

3 ) 遺伝的要因

・組織適合性抗原 ( HLA ) ; 白血球の血液型で、ある型の場合、生体がHPVに感染したという認識確認が弱くなってしまい、HPVを排除出来なくなってしまう事も考えられます。



今回、施行したハイブリットキャプチャー法 ( HC II 法 ) というHPV検査では; ハイリスク HPV (16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68型の13タイプ ) の有無が分りますが、どの型かは分りません。



今回、出た結果は、ベセスダシステム の ASC-US ( 意義不明な異型扁平上皮細胞 ) と思われます。

従来の細胞診の class II ( 炎 症 ) 、class IIIa ( 軽度から中等度異形成 ) の可能性を含みます。

HPV 陰性の場合は、12ヶ月後の細胞診となりますが、HPV 陽性ですのでコルポ診を施行します。

コルポ診は、子宮の入口を拡大鏡で見て、怪しい部分の組織をかじり取り、組織診をします。

組織診の結果が、子宮の入口の粘膜の表面から中間迄の細胞の核が、いびつに変化した、軽度から中等度異形成なら、3ヶ月間隔で細胞診で経過を追います。

通常は、免疫で、正常に戻る筈です。

子宮の入口の粘膜の、深い細胞の核も、いびつに変化した、高度異形成の場合は処置が必要になります。

高度異形成の病変部が、全て確認に出来、浸潤癌を疑う所見が無ければ外来もしくは1日入院で、粘膜を焼灼するレーザー蒸散をします。

そうでない場合は、5~7日の入院で、子宮の入口を取る円錐切除術が施行されます。

いずれの処置を施行しても、妊娠も分娩も可能です。

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