卵って生あるいは生に近い状態で食べた方がより栄養価が高いんですか?
現在南米在住ですが、ここの人は生卵は食べず"湯通し卵"(沸騰したお湯に3分だけ入れる。ほぼ生に近い出来上がり)は食べます。"こうするとほぼ生に近い状態だからミネラルとか栄養が全部ちゃんと取れるのよ"と義母は言っています。そんな事日本では聞いた事ないなーと思ったんですけど...生卵の方が栄養があるのでしょうか?
その通りです。
たまごの主成分はたんぱく質です。たんぱく質は65℃を超えると固まってきます。さらに高温になるとかちかちになるのはご存知のとおりです。かちかちのたまごはおいしくないですよね。栄養的な価値も低下してしまいます。
脂質もたんぱく質と同じくらいの重量が含まれていますが、高温によって一部が有害な過酸化脂質に変わってしまう可能性もあります。
ただし、生たまごの白身を食べ過ぎると、ビオチン(ビタミンH)欠乏症に陥ることがあります。皮膚の障害を起すのです。もっとも1日当たり5個以上食べるようなことでなければ心配いらないとされています。
加熱で固まった白身では、ビオチン欠乏症にはなりませんので、白身だけ固まって黄身が生か半熟というのが理想ですね。
そのたまごの理想的な加熱方法が、料理としての「ポーチドエッグ(落としたまご)」と「温泉たまご」
です。
ご質問の「湯通し卵」というのはおそらくこの「ポーチドエッグ」のことだと思います。外国では生卵を食べる習慣がありません。日本は生卵を食べる習慣があるためか、ポーチドエッグはあまりやりませんが、外国ではポピュラーな食べ方と聞いています。
話はそれますが、サルモネラ食中毒は、生でも半熟でもリスクがあることを知っておく必要があります。サルモネラ菌を殺菌するには、70度以上で二分間以上の加熱をする必要があります。これは黄身がかちかちになってしまう温度です。栄養価も低く、味も悪くなってしまいます。
たまごを割ってからすぐ食べるなら、生食でもサルモネラ食中毒はほとんど心配いりませんが、割って半日も常温におけば、菌が増殖して場合によっては死んでしまうような食中毒になる可能性があります。
ということは、たまご焼などのたまご料理をお弁当に詰めていくようなことはかなりリスクがあります。食べるまでに時間がかかるような場合は、たとえ不味くても上のような温度と時間で完全に火を通してやる必要があります。
生卵の白身には、黄身の栄養素を壊してしまう成分が入っています。
なので、半熟が一番いいのです。
その南米の食べ方は、ものすごく賢い食べ方です。
伝統の料理には、必ず合理的な理由があります。
お義母さんの言うことは正しい!!
ぜひ従ってください。
私も卵はナマのほうが栄養がそのまま残るって聞いたことがあります。
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