2012年3月21日水曜日

子宮頸がんの報告書に出現細胞、表層扁平上皮細胞+2、中層扁平上皮+2、頸管腺...

子宮頸がんの報告書に出現細胞、表層扁平上皮細胞+2、中層扁平上皮+2、頸管腺上皮細胞+1、白血球+1と書かれているんですが、どういう意味なのでしょうか?

+1やら2やら、なにを意味しているのですか?これはいいのですか?わるいのですか?



この細胞はもともとある細胞なんですよね?解りやすく教えていただけたら嬉しいです。







正常所見です。

膣粘膜は、幾層にもなる、重層扁平上皮で、卵胞ホルモンにより、深層細胞→中層細胞→表層細胞と成長して来ます。

表層細胞 + 2 は、卵胞ホルモンがしっかり出て、膣粘膜の再生が上手く行っている事を意味します。

閉経後の人は、卵胞ホルモンが出なくなり、中層細胞も少ししか出なくなります。

逆に、閉経後の人で、表層細胞が多く出た場合は異常で、卵胞ホルモンを出す様な卵巣腫瘍が無いか、また、腫瘍が出した卵胞ホルモンによって発症する、子宮内膜疾患 ( 子宮内膜増殖症や子宮体癌 ) の検索が必要になります。

頚管腺上皮細胞が取れている事は、細胞を取る場所が適切であった事の裏付けとなります。

膣内の子宮の入口部分の奥は、薄い子宮頚管の粘膜 ( 単層円柱上皮 ; 頚管腺細胞 ) 、手前は厚い膣粘膜 ( 重層扁平上皮 ) となっており、境界がくっきりしています。

子宮頚癌は、この境界から発症します。

両方の粘膜がしっかり擦られています。

白血球は、全身に待機し、外敵が来た時に、対抗し、細菌等の侵入を防いでます。

白血球 + 1 は正常所見です。

強い炎症があると、白血球が多く出て、取れた細胞を隠してしまい、判定出来なくなります。

その場合は、炎症の治療をして、再検査をしなければなりません。



補足に関して

H P V を追い出す免疫とは直接は、関係ありません。

核腫大は、何らかの炎症があった時、また、ハイリスク H P V の影響があった時にも見られます。

白血球のせいではありません。



自費になりますが、H P V が居るかの HPV検査を施行してみる手があります。

子宮頚癌検査と同様の方法で施行されます。

HPV 検査が陰性でしたら、1年後の検査で良いと思います。

陽性でしたら、3ヶ月後の細胞診 ( 子宮頚癌検査 ) とされたら如何でしょうか ?

主治医と相談して下さい。



ハイリスク HPV の最低、6ヶ月の持続感染で、細胞の核がいびつに変化した異形成という変化を起こしてきます。

このうち、ごく僅かな人が、5年以上かけて癌に進展します。

持続感染の原因です。

1 ) 性活動関連因子

・性パートナー数

・経産回数 ( 3人以上 )

・クラミジア等の他の性行為感染症

・年 齢 ( 30歳以上 )

2 ) 免疫関連因子

・喫 煙

・ビタミン不足

・H I V を含む免疫抑制状態

・ステロイドの使用

3 ) 遺伝的要因

・組織適合性抗原 ( HLA ) ; 白血球の血液型で、ある型の場合、生体がHPVに感染したという認識確認が弱くなってしまい、HPVを排除出来なくなってしまう事も考えられます。

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